脂肪酸の基本【基礎ヴィーガン栄養学】

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Kawahara Ai
公開日: 2021/01/11 / 最終更新日: 2023/04/11
脂肪酸の基本【基礎ヴィーガン栄養学】

前回は脂質の基本ということで、脂質の構造や基本的な働きに関してお話しました。

脂質の基本についてはこちら!

脂身の多い動物性食品を食べないヴィーガン食生活となると、野菜・果物・穀類中心の食生活になるので脂質不足に陥りやすい傾向にあります。

しかし、やっぱり脂質は体にとって大切なものであり、ぜひみなさんに積極的に取り入れて欲しい栄養素でもあります。

では、具体的にどんな脂質を摂取したら良いのでしょうか?

それは、脂質の構成成分である「脂肪酸」を理解しておくことが必要不可欠。

そこで今回は脂肪酸についての説明と、おすすめの食材をご紹介していきます。

 

 

栄養学監修

河原あい

管理栄養士 / 微生物の研究で博士号(環境系)/ コーネル大学 Plant Based nutrition course 修了/ 現在フリーでwebメディア編集、レシピ制作、フードフォトの撮影などを行う。2020年からベジ生活を開始。

Instagram :@kwhr_ai 

 

目次

  1. 脂肪酸とは
  2. 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
  3. 脂肪酸のバランス
  4. おすすめの食材
  5. まとめ

脂肪酸とは

 

前回、脂質の構造の説明でもお話ししましたが、脂質は「グリセロール」と「脂肪酸」に分けられます。

基本的に食品中の脂質において、脂肪酸は3つグリセロールに結合した構造をしていて、体内で脂肪酸が2つ、1つと分解されることで利用されていきます。

食材の脂質の「質」を決めるのは脂肪酸であり、どんな脂肪酸がどれくらい含まれているかを理解することで食材選びをうまく行うことができます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

 

脂肪酸は炭素、酸素、水素分子が鎖状に連なってできているもので、その結合方法から大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分類できます。

飽和脂肪酸

全ての炭素分子が水素と結合している状態(飽和状態)の脂肪酸を指します。
・我々の体内で合成できる
・エネルギーとして使われる
・体に体脂肪として蓄積する
・動物性食品と一部の植物性食品に含まれる
・一般的に過剰摂取になりやすい

過剰な飽和脂肪酸は腸内環境を悪化させる、あるいは血管壁の弾力を奪い、血液をドロドロにしてしまうので注意が必要です。

不飽和脂肪酸

 

炭素分子のうち一部が水素と結合しておらず、炭素分子同士で結合しているもの(不飽和)を指します。さらにその不飽和とする部位が1つのものを一価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸と分類しています。

 

・我々の体内で合成できないものもある
・細胞膜の構成成分など非常に重要
・植物性食品と一部の魚介類に含まれる
・一般的に不足しやすい

 

不飽和脂肪酸は意識して摂取しないと不足してしまう栄養素です。

不足してしまうと、体調不良や肌や髪の毛がボロボロになる、あるいは集中力が切れやすくイライラするなど精神面にも影響してしまいます。

不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。

一価不飽和脂肪酸:別名オメガ6
オリーブオイルなど身近な油に含まれています。

多価不飽和脂肪酸:オメガ9、オメガ3
それぞれナッツ類やチアシード、フラックスシード(亜麻仁)などの種子類に含まれています。

基本的に一価不飽和脂肪酸(オメガ6)は大切な栄養素ではありますが、多くの食品に含まれていることと、摂りすぎると炎症作用などを引き起こしてしまう可能性もあるので、過剰摂取に注意しましょう。

脂肪酸のバランス

 

 

飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸はそのバランスが非常に重要で、どっちかひとつに偏った食事内容ではいけません。

飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸の比率はSMP比(Saturated fatty acid、Monounsaturated fatty acid、Polyunsaturated fatty acid)と呼ばれており、S : M : P = 3 : 4 : 3が好ましいといわれています。

さらに、多価不飽和脂肪酸であるオメガ3:オメガ9の比率は1 : 4を目指すようにしましょう。

これらのバランスを毎日細かく測定することは難しいですが、例えばある1日の中で自分がどれくらい脂質を食品から摂っていて、その脂肪酸の割合はどのくらいなのか一度計算してみましょう。

その結果をベースに多い脂肪酸を減らし、足りていない脂肪酸を補うことを意識するだけでも変わりますよ!

基本的には不飽和脂肪酸の摂取量が不足しやすいので、意識的に摂取してほしいところです。

おすすめの食材

 

バランス良く脂質を摂るのが大事とはいえ、一体どのような食材から摂取すればいいのでしょうか。以下では、ヴィーガンに不足しがちな不飽和脂肪酸を摂取できるおすすめ食材を紹介していきます。

ナッツ類

 

 

言わずもがなで不飽和脂肪酸のイメージの強い食材はナッツ類ではないでしょうか。

特にアーモンド、くるみ、ピスタチオ、ペカンナッツは不飽和脂肪酸の宝庫であり、手軽におやつとしても取り入れやすいので常備しておくことをおすすめします。

ナッツの栄養価についてはこちら!

アボカド

 

 

森のバターと呼ばれる理由は、その濃厚さと良質な脂質を含んでいるため。アボカドには一価不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

脂質の少ない野菜中心のサラダにトッピングしたり、アイスやデザート作りに用いたりと、その使い道はたくさん。ぜひ積極的に食べるようにしてみてください。

アボカドのレシピ10選についてはこちら!

オリーブオイル

 

 

最近では必ずスーパーに置かれるようになったオリーブオイル。毎日継続的に使うためにも、手軽に手に入るようになったのは嬉しいですね。

オリーブオイルはクセがあるのでお菓子作りには向きませんが、トマトやナスなどのお野菜と一緒に使うとコクのある美味しい仕上がりになります。いつもサラダ油を使っている方は、ぜひオリーブオイルに変えてみましょう!

ちなみにオリーブオイルは太陽の光に不安定なので、遮光された褐色瓶に入っているものがオススメです。

フラックスシード

 

 

海外ではもう浸透しているフラックスシード、別名:亜麻仁ともいいますが、日本でもようやく多くの人に認知され始めています。

フラックスシードはその名の通り種子類で、不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。

サラダにトッピングしてみたり、フラックスシードから抽出したアマニ油を使ってみたりと、普段の食事に取り入れてみてください。

まとめ

 

野菜や果物、穀類中心になるヴィーガン食では、脂質の摂取量が格段に減ってしまいます。

脂質不足になると体調を崩したり、髪や肌がボロボロになったり、精神が不安定になったりと諸症状が現れるので、なんとか不足を防がなければいけません。

ただし、むやみやたらに脂質の含有量が高い食材を選べば良いという訳ではなく、その脂質の「質」の部分を左右する「脂肪酸」について理解することも必要不可欠です。

ぜひ、今回の記事を参考に普段の食生活における脂質の質について見つめ直してみてくださいね!

 

またブイクックでは、植物性100%のヴィーガンレシピが豊富に掲載されています。この栄養学記事を参考に、健康的なお料理をお試しください!

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その5つの基準は以下の通りです。

・原材料に動物由来の食材不使用

・動物性食品と同じ揚げ油不使用

・アルコール飲料の製造過程で動物由来の清澄剤不使用

・砂糖の製造過程での骨炭不使用

・ライン清浄と商品説明へコンタミ記載政党材

 

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ぜひ、みなさんのおすすめを見て、ご自身のおすすめ商品となるものを見つけてください!

 

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Kawahara Ai
ヴィーガン歴2年の管理栄養士で環境系の博士号取得(2022年)| コーネル大学e-learning Plant-based nutrition修了

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