五大栄養素のひとつである、ビタミン。
三大栄養素を健康的に体へ取り入れるためにも欠かせない栄養素です。
ビタミンには脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類があります。
油に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンは、ビタミンA、 D、E、Kの4種類に分けられます。
その中でも、今回はビタミンKの基本知識を解説していきます。
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栄養監修
管理栄養士 河原あい フリーランス ライター&コンサル |
ビタミンKについて
脂溶性ビタミンのひとつであるビタミンKは血液凝固に関わるビタミンであり、その名前は凝固:koagulation という英語の頭文字に由来しています。
ビタミンKは、3種類に分けられます。
基本的には食品中からビタミンK1を摂取しつつ、腸内細菌によるビタミンK2生産を促す食生活を心がけましょう。
ビタミンKの主な働き
ビタミンKの主な働きをご紹介します。
血液凝固
例えば転んで膝を擦りむくと血が出てしまいますが、しばらく経つと血は止まり、かさぶたとなって自然と治癒していきます。
これは血液凝固反応によるものであり、ビタミンKはこの反応に必要な物質の合成を助けています。(ビタミンK不足になると血液が固まるのが遅くなり、出血しやすくなるので注意です。)
骨へのカルシウム沈着
骨には、カルシウム結合タンパク質であるオステオカルシンと呼ばれる物質が存在し、このオステオカルシンの働きによってカルシウムは骨へと沈着し、強くしなやかな骨を作ります。
ビタミンKは、オステオカルシンの働きを助け、骨を強くする作用を持ちます。
ヴィーガンとビタミンK
ビタミンKは植物性の食材に豊富に含まれているので、ヴィーガンの人が不足しやすい栄養素という訳ではありません。また、食事から摂取が足りていない場合も、腸内細菌によって合成されるので欠乏症にはなりにくいと言われています。
ただし、偏食(一つのものに偏る食事)などで食事バランスが偏ると不足してしまうので、ビタミンK(K1)が豊富なものを積極的に食べるようにしましょう。
ビタミンKが豊富な食材
一日に必要なビタミンK目安量は、成人男女ともに150μg/日となっています。ビタミンKは過剰症の報告がないので、多少摂り過ぎても問題ありません。
それでは、ビタミンEが豊富な食材をさっそく紹介していきます。
納豆
日本の伝統的発酵食品のひとつである納豆。1パックあたりに240μg含まれています。つまり、納豆を1パック食べるだけで一日に必要なビタミンKを補うことができます。
■ブイクックおすすめレシピ
小松菜
葉物野菜の中でもトップのビタミンK含有量を誇る小松菜。1/4袋(60g)あたり130μg含まれています。カルシウムも豊富なので、骨を強くしたい方にはおすすめ。油と一緒に炒めることでビタミンKの吸収率がアップします。
■ブイクックおすすめレシピ
ねりごまのコクと小松菜のほろ苦さがマッチ。おすすめの副菜です。
ブロッコリー
ブロッコリーもビタミンKが豊富な食材の代表です。一食(50g)あたり150〜160μgと、一日に必要な量を補うことができます。油との相性もいいので、オリーブオイルをかけて食べたり、ドレッシングをかけたりといろんな方法で取り入れてみてください。
■ブイクックおすすめレシピ
お醤油をちょっとだけ減らして、塩昆布と和えても美味しく出来上がります。材料も少なく済むので手軽にできるレシピです。
まとめ
今回は脂溶性ビタミンの中でもビタミンKのお話をしました。
ビタミンKは脂溶性なので、油と一緒に食べることで吸収率を高めることができます。
また、腸内細菌によっても合成されるので欠乏することはありません。
しかし、新生児は腸内細菌が少ないことや母乳に含まれるビタミンKが少ないことから、妊婦さんはビタミンKを積極的に摂取するようにしましょう。
ビタミンKの役割は以下の二つです。
植物性食材(特にアブラナ科の野菜や豆製品)に豊富に含まれているので、積極的に摂ってみてくださいね!