「菜食で最高のパフォーマンスを発揮」トップアスリートが感じた体の変化とは?【永井葉月選手】

『ベジアスリート連載』の第3回目です!
今回インタビューを行ったのは、ホッケー女子日本代表の永井葉月選手。スピード感とスタミナが求められる競技であるホッケー。世界を舞台に活躍する永井選手は菜食中心の食生活を送っています。体づくりに向けた食事のポイントや、菜食による体の変化、ご自身が感じている菜食の魅力について実体験を語っていただきました。

 

プロフィール
永井葉月さん
岐阜県出身。現役ホッケー選手。ソニーHC BRAVIA Ladies所属。
女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」選出。2016年リオ五輪、2018年ワールドカップに出場し、司令塔としてチームを牽引。ホッケー元日本代表の両親の元に生まれ、姉・友理さん、弟・祐真さんも現役ホッケー選手のアスリート一家。

 

きっかけは現役アスリートの弟からの言葉

 

吉崎:
葉月さんは、現在どういった食生活をされていますか?

 

永井:
今の生活はフレキシタリアン(※1)が近いのかなと思ってます。
普段の食生活では、基本的に植物性食品だけを食べています。
肉はもちろん、魚や乳製品も控えていますね。
ただし、合宿中や友達付き合いの食事などに限定して動物性食品を口にすることもあります。植物性ミルクが大好きで、最近はアーモンドミルクにハマっています。

 

(※1)基本は植物性食品を中心に食べるが、時には肉・魚も食べるという柔軟なベジタリアンスタイルを取る人のこと。

吉崎:
葉月さんの朝昼夕の具体的な食事メニューの例を教えてほしいです!

 

永井:
朝食はパン・野菜スープ・植物性ヨーグルト・グラノーラ。
パンは、卵・乳製品不使用のものを手に入れて食べています。

 

昼食はお弁当に玄米・大豆ミート・ほうれん草のお浸し・野菜の煮物などを詰めて持っていきます。ヴィーガンロールを食べることもありますね。レンジで温めてそのまま食べられますし、ロール一本で摂取したい栄養も入っているので重宝しています。
軽食では、ヴィーガンが食べられるプロテインバーやクッキーなどを食べています。

 

夕食はご飯・お味噌汁・おかず。普段は母が作ってくれるんですが、中でも一番好きなおかずは「厚揚げの唐揚げ」です。大のお気に入りで、頻繁に作ってもらってます。

 

吉崎:
葉月さんがフレキシタリアンの食生活を始めたきっかけは何でしょうか?

 

永井:
きっかけは1年ほど前に、弟に勧められたことです。
弟は大学生の頃に、インフルエンサーの海月ダンテさんの動画を見てから菜食を始めていました。
はじめは私も理解できてなくて「アスリートが肉を食べんかったら絶対動けんやろ」って思ってたんですけど(笑)

でも弟から勧められてドキュメンタリーの「ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実」(※2)を見たことで衝撃を受けました。 菜食が運動能力にもたらす影響と、菜食アスリートの実体験が語られていて。「ドキュメンタリーでここまで言うなら、一度試してみる価値がありそう」と感じましたね。

それから、先に菜食を始めていた弟も「絶対体が軽くなるし、パフォーマンスも上がる」と言っていました。そこで私も真剣に取り組んでみたくなり、菜食中心の食事に本格的にシフトしていきました。

(※2)2018年、アメリカで制作されたドキュメンタリー映画。「菜食による運動能力や健康への影響」をテーマに、科学者の見解や菜食アスリートの実体験が取り上げられている。

吉崎:
葉月さんの弟である永井佑真さんも現役ホッケー選手ですよね。アスリートとして活躍している方の体験談は説得力があります。

 

「パワーは落とさず、体は身軽に」菜食による体の変化

吉崎:
菜食中心の食生活に切り替えて、実際にご自身で感じている身体面の変化はありますか。

 

永井:
一番大きな変化は、体が軽くなったこと。体重の数値にも目に見える変化がありました。菜食に切り替えて2~3週間で2 kg くらい体重がストンと落ちたんです。そこからは体重は安定していて、適正な体重を維持しやすくなりました。

また、疲労の回復が早くなってます。練習を終えた後の疲労が、夜寝て次の日の朝にはすっきりしてるんです。「疲れって、一晩でこんなに取れるもんやったっけ?」と驚くぐらい(笑)。今は心身ともにフレッシュな気分で毎日、練習に取り組めていますね。

 

吉崎:
ホッケーでのパフォーマンスやプレーに変化はありましたか?

 

永井:
持久力が上がってる感じがします。
身軽になった分、長時間走れています。
息切れを起こすまでの時間も伸びている実感がありますね。

 

しかも、パワーはしっかり出せています。
ホッケーでは「ヒット」というスティックでボールを打つ動作があるんですが、無理な減量をするとヒットが弱くなってしまい、球のスピードが落ちてしまいます。

以前ダイエットで5kgほど体重を落としたときに、ヒットが目に見えて弱まったことがありました。そのときは自分でも「このままプレーして大丈夫かな」って不安になるくらいで。

それこそ菜食に切り替えてすぐ体重が落ちたときは少し心配になりましたが、今でも肉を食べていた頃と変わらないパワーを保っています。

 

吉崎:
菜食中心の食生活は、パフォーマンスにおいてもプラスに働いているんですね。

 

 

吉崎:
アスリートとしての体づくりのために、特に意識している食事のポイントはありますか?

 

永井:
植物性食品からは取りづらい「タンパク質」と「ビタミンB12」の摂取を心がけています。

 

タンパク質はアスリートにとって最も大切な栄養素です。
豆腐や納豆を日々のメニューに取り入れて、大豆製品を積極的に口にするように意識していますね。朝昼のメニューでタンパク質が足りてないかもと思ったときは、夜ご飯に大豆ミートの唐揚げを食べて調整しています。

 

ビタミンB12を摂るためには、クロレラやニュートリショナルイーストを料理に使っています。特にニュートリショナルイーストは朝食のスープに入れたり、食パンにヴィーガン チーズと一緒に載せてピザトースト風にして食べたりして活用してますね。

 

吉崎:
菜食では欠乏しやすいとされる栄養素も、食事に一工夫を加えることで無理なく摂取されていますね。

 

▼ニュートリショナルイーストの活用法は以下の記事をチェック!
ニュートリショナルイーストとは?活用レシピも3つ紹介!

 

最高のパフォーマンスを追求したい、だから菜食を続ける

 

吉崎:
ご家族では葉月さんと弟の祐真さんが菜食を実践しているとのことですが、他のご家族は菜食についてどのように受け止めていらっしゃいますか?

 

永井:
今では、菜食にすごく興味を持ってくれていますよ!

もちろん、初めは理解できない部分も多かったと思います。
弟が菜食を始めたばかりの頃、両親は「アスリートが肉を食べなくて大丈夫?」と心配してました。

 

でも弟に続いて私も菜食を始めてから、二人ともホッケーのプレーで上手くいく場面が増えたんです。それを目にして、家族も菜食に関心を寄せるようになりましたね。

最近、家族で焼肉をしてるときにヴィーガンミートを両親に食べてもらいました。そしたら「これは美味しいね!」という良い反応がもらえて、私も嬉しかったです。

 

菜食者ではない父と姉の食事内容も、野菜のメニューがだんだん増えてきています。
家族の間で菜食に関する話題も増えてますし、今では家族全員で食を楽しんでいますよ。

 

吉崎:
一度菜食にチャレンジしても元の食生活に戻ってしまうことも多い中で、葉月さんが菜食を始めて1年間、現在でもフレキシタリアンを続けている理由は何でしょうか?

 

永井:
菜食中心の食事スタイルが、ベストな体の状態を維持するのに合っているからですね。アスリートにとって一番大切なのは自分の体です。
アスリートである以上、常に最高のパフォーマンスを発揮しなければなりません。パフォーマンスを出すのに適した食事スタイルを選択した結果、今の私には菜食中心が向いていると感じています。
さらに、菜食を実践することで環境問題や動物愛護の問題の解決にも貢献できるからです。私一人の力は小さいかもしれないですが、数多くの方々が菜食を取り入れることで課題解決に近づけるのかなと思ってます。

 

吉崎:
最後に、これから菜食にチャレンジする方に向けてアドバイスをお願いします!

 

永井:
私も菜食を始めた頃はたくさん不安がありました。

今はブイクックを始め、様々なメディアやSNSで情報が発信されています。適切な情報に基づいて、栄養バランスに配慮した食事を行えば、菜食のみでも十分に健康な体づくりができます。

食事の楽しみも菜食中心の食事に変えてから、より一層増しています。
レシピを見ながら手作りで料理をしたり、市販のヴィーガンフードを片っ端から試したり。ヴィーガン料理は本当に美味しいと自信を持って言えるので、ぜひ皆さんにも一度味わってもらいたいです!

 

永井葉月さんのお気に入りブイクックレシピ

NANAさんの黒ごま塩スコーン

永井選手からのコメント

めちゃくちゃ好きで、何度もリピートして作ってます。
カロリーや糖質が低いので、試合前でも気にすることなく食べれています。
「団結して頑張ろう」の気持ちを込めて試合前にチームメイトに渡しているんですが、「本当に卵や乳製品、使ってないの?」と初めは驚かれました。それからはすごく気に入ってもらって「今日はスコーンある?」と聞かれることも。ヴィーガンお菓子の美味しさを伝えられて私も嬉しいです!

 

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